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第112回日本エスペラント大会(&アジアオセアニア大会)に参加しました

前に行ったときは「敬老会」でしたがはたして今回は……?

去る9月20日から21日にかけて、岡山県岡山市で行われた日本エスペラント大会に出席しました。記憶の新鮮なうちにレポートを書いておくことにします。結論から言うと、今回はわりと希望の持てる内容でした。

日本エスペラント大会って?

計画言語エスペラントを推している人たちが一堂に会して、エスペラントの普及だとか有用性だとかを話したり、エスペラント会話の実践をしたりするイベントです。わたしは2年前に川崎で開催された第110回に参加しています。そのときの様子はnoteの記事にまとめていますのでもしよければどうぞ(noteの記事)。

はじめに - ぶっちゃけあんまり乗り気ではなかった

正直、最初は行くつもりがありませんでした。
以前大会に出席したのですが、体感8割以上が高齢の方であまり話が合わなかったですし、そもそもエスペラントでなにかを話すよりかは会合や講演を聞くといった受け身のイベントがほとんどだったことから、大会に参加する意味をあまり感じられませんでした。
それでも参加してみることにしたのは、あくまで「ついで」でした。わたしは岡山に住んでいたこともあり、知己もいくらかいますので、その人たちに会うついでにちょっとだけ出てみることにしたのです。

ただ、前回のように漫然と参加するだけだとあまり変わらない感想になるかなと思ったので、今回は攻めに転じてみることにしました。
Projekto Babelで頒布している合同誌"ko pi telo sitelen“を配って、基底現実とは別の世界のエスペラント界の存在をしらしめてみることにしたのです。
この冊子は電子版の合同誌の紙版スピンオフで、エスペラントの記事もいくらかあるのでちょうどいいと判断しました。これを配ってもなお反応が微妙ならもう大会に出ることはない、という覚悟のもと一路岡山へと向かうことにしたのです。

……バイクで!🏍️
往復1000kmの旅はこれまた思いつきでしたがやっぱりしんどかったですね……。

交流ブース

今回は冊子を配布するということで、あらかじめ「交流ブース」を申し込んでおきました。エスペラントに関わるものならなんでも頒布・販売できます。要するに同人誌即売会みたいなものなので、わたしにとっては家のようにとても落ちつく空間です。結局わたしはこの「家」から会期中一歩も動くことはありませんでした……。

交流ブースの様子。スペースの広さがコミケと同じだったので、いろいろな道具が役に立ちました

最初は冊子のみを展示していたのですが、念の為ノートパソコンも持ち込んでおり、急遽VRChatに繋いでVRの人たちとコミュニケーションを取れるようにしてみました。特にぐらんさんがずっといてくれてありがたかったです……!
一方で、会場の音でうまくやりとりができなかったり、会場の様子を配信などでVRChatのほうに伝えられなかったので誰が話しているのか伝わりづらかったりと、即興ゆえの課題も見受けられました。とはいえ思いつきにしてはよくやったほうではないでしょうか。会場の人たちの感触は、「こういう世界があるのか!」と驚く人が6割、「こういうへんてこなことはよくわからん」と引き下がる人3割、「VRChat知ってます or もうバベルにいます」という人が1割くらいといった印象です。悪くない比率です。

冊子も50部程度は頒布できたので最低限の目標は達成しました。いろいろ参加者から質問を受けるのですが「VRChatにはどうやって行けばいいですか」という質問に、この冊子が全く答えられていないことに遅ればせながら気づきました。それもそのはずで、この本はもともとVketRealというVRChat関連のリアルイベント向けに編纂されており、VRChatを知っていることが前提だったためです。なにか補足のペーパーでも用意しておくべきでした。

おとなりはエスペラントのゲームブックなどを制作されているEsperanta Pontoさんでした。こういったリアルの場の知りあいも多いようでいろいろとお話を伺うことができました。ありがとうございます。

総評

今回はアジアオセアニア大会と合同であることもあり、海外の参加者も多く、そのために参加者の平均年齢もかなり若いように見えました。とはいえVRChatへの関心は年齢とは関係ないように見えたのがちょっと興味深いところでした。
年齢や国籍によらずいろいろな方がブースを訪れてわれわれの活動について質問したり、実際にVRChatでコミュニケーションを試してみる姿を見ると、とりあえずこの小さな「ファーストコンタクト」は思ったより平和裡に終わったのではないかと安心しています。正直もっと過激な反発があるのではないかと思っていました。毎回とまではいきませんが、折を見て参加してもいいかもなと思い直す程度にはいいイベントでした。

ふだんエスペラント協会や地方のエスペラント会の運営に携わっている人とお話しができたのもよい機会でした。なにかいっしょにできたらいいな、とはうみほたるさんとぼんやりと話していたのですが、リアルのエスペラント会に関わっているバベルのメンバーはほとんどいないので、関わりを得られるいい機会でした。(なにかアイデアがありましたらご連絡よろしくお願いします)

ひとつ思うところがあるとすれば、まだ「実名主義」の文化が色濃いなと感じるところです。一般に個人情報とされること(そしてVRChatでは聞くことが憚られること)をけっこう聞かれます。今回もわたしは「あんのん」として参加したのですが、この通称制度を策定されたJEIの方からお話を聞くに、内部ではいろいろと議論があったようです。
わたしのリアルの名前や所在を尋ねられたり、写真を撮られたりということがあったので、ネットでのみエスペラントをやっている人に参加を素直に勧められる状態ではまだないのですが、徐々に状況が変わっていくのではないかという期待を持たせる回であったと思います。

次回も参加するなら交流ブースにしたいところです。わざわざ会合に出向かずとも参加者かあっちから来てくれますからね。これほど楽なことはないです。怠惰なわたしにはぴったりです。

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