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sitelen ponaでの固有名詞表記法

いろいろある固有名詞表記の流儀を自分用にまとめ

はじめに

にしき的フォントが久々に更新され、sitelen ponaでの固有名詞の記述が強化されました。トキポナの表記方法のひとつであるsitelen ponaには、音素を表記する文字がありません。それは、sitelen ponaの文字がトキポナの単語と対応しているためです。言うなれば漢字のような存在で、音を表記しなければならない固有名詞の記述には工夫が必要です。ここでは、いくつかあるsitelen ponaの固有名詞表記法をまとめました。

sitelen pona固有名詞表記

puシステム

puのsitelen ponaの項目にある記述方法で、これ以後すべての表記法の基礎になるものです。各sitelen ponaに相当する単語の一番最初のアルファベットを読むようにsitelen ponaを配置し、固有名詞全体を角丸四角形(カルトゥーシュ)で囲みます。このとき、同じ読みのアルファベットとして使えるsitelen ponaがいくつもありますが、好きなものを使って構いません。

例 “ma Kanata”(puより引用) それぞれのaに別のsitelen ponaを用いている

上の例では"Kanata"と表記するために、kasi, alasa, nasin, awen, telo, aを用いています。

この方法はよく使われていますが、日本語名など一音素がCVのセットとなるような言語の名前では文字数が多くなりすぎるという問題があります。そこで、次以降のような省略記法がよく使われています。

nasin sitelen kalama

補助記号を使うことで、ひとつのsitelen ponaから複数のアルファベットを取って使うことができる方法です。けっこう前から使われていたと思っていたのですが、sona ponaによれば2022年につくられたとのこと。

sitelen ponaのあとに補助記号「・」をつけることで、1モーラあるいはnまで読むという意味にすることができます。モーラってなに? となると思いますが、トキポナの単語をカナで捉えると分かりやすいです。 たとえばtokiなら「と、き」で2モーラです。tokiに補助記号「・」をつけることでtではなくtoと読ませることができます。

つまり、「・」記号はカナ1文字ぶん読ませる記号とざっくり考えることができます。 また、「・・」のように2つ使うことで2モーラぶん持ってくることができます。

補助記号「・」の例。・をつけることで、そのsitelen ponaの先頭アルファベットだけでなく、その次の母音までを読むという意味になる

lenのように、単語にnが入っている場合は1モーラぶんとして読みます。

nを含む単語の例。nを1モーラぶんとみなして補助記号で読みに使える。語頭が母音の場合、たとえばanpaの場合は補助記号をつけなければaと読み、補助記号があればanと読む

また、補助記号「:」を使うことで、そのsitelen ponaの読みすべてを読ませることができます。

補助記号「:」の例。補助記号が付加しているsitelen ponaの読みをすべて使う

この記法は日本語名のような固有名詞で力を発揮します。Projekto Babelでも主にこの記法を案内しています。一方で、補助記号の連続によってカルトゥーシュ内がややスカスカになりがちというのが美観上の問題になるかもしれません。

nasin sitelen kalama pi linja lili

前述の記法で「補助記号が連続するとカルトゥーシュ内がスカスカになりがち」という美観上の問題を解決したのがnasin sitelen calama pi linja liliです。補助記号をカルトゥーシュ内に入れずに、カルトゥーシュの下部に短い線を書くことで全体の長さの圧縮を実現しています。

sitelen ponaの下に線を書くことで、「そのsitelen ponaの単語からアルファベットを先頭から何文字読ませるか」を表現します。線が2本書いてあれば先頭2文字、3本書いてあれば先頭3文字を抽出し読みに使用します。

nasin sitelen kalama pi linja liliの例。線は単語中のアルファベットの数を超えなければいくつ書いてもよい

この方法はここ1-2年で急速に普及しており、トキポナ作者のSonja Lang氏もsuの2巻め(suno sama)で使用しています。使用するアルファベットが2つや3つの場合に強力な手法ですが、4本以上線が書いてあるとぱっとみ読みづらい感じがします。

kalama wan nimi

これはjan Toluneko氏が提唱した比較的新しい記法で、日本語の濁点と半濁点を代用して表現します。sitelen ponaに濁点がついている場合は最初の1モーラぶんを読み、半濁点がついている場合は最初の1モーラにnを付け加えて読みます。

kalama wan liliの例。濁点をつけることで1モーラぶんを、半濁点をつけることで1モーラ+nの音を読む

また、カルトゥーシュ内のsitelen ponaすべてに濁点、あるいは半濁点をつけたいときは、カルトゥーシュの外につけることで、そのカルトゥーシュ内のすべての文字に濁点あるいは半濁点を作用させることができます。

kalama wan liliの例。カルトゥーシュの外に濁点、半濁点をつけることで、カルトゥーシュ内のすべての文字に濁点、半濁点をつけたものとみなして読む

この記法はそれほど普及しているわけではありませんが、日本語名のような固有名詞を書きたいときに、上述の省略記法を使用することで筆記量を抑えることができます。

おわりに

以上、2026年時点で普及しているsitelen ponaの固有名詞表記法をまとめました。この中ではpuでの記法およびnasin sitelen kalamaが一番普及していますが、nasin sitelen kalama pi linja liliも急激に普及しており、しばらくは併存状態が続くでしょう。このほかにも、sitelen ponaを高度に合成することで、自分の名前を示す独自のsitelen ponaを生みだすというものもありますが、まだまとまった用例を持ちあわせていませんのでここでは言及しませんでした。

また、上の例はすべてにしき的フォントで書きました。やっぱり便利でいいですね。

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